うたた寝ラウンジ

Lounge for Nap

長崎散策

空き時間を利用して二泊三日の長崎旅行に行ってきた。初の九州旅行、初のツアー利用、初のプライベートでの国内飛行機利用など、初めてづくしの旅だった。

アクセス

自宅から羽田空港までは距離が長く乗り換えが多い。電車よりも時間が正確ではないというリスクはあるけれど、空港直通のリムジンバスを利用した。本を読んだり眠ったりしているうちに空港に到着。席も予約していたのでちゃんと座れたし、重い荷物を持って移動することも無かった。この快適さは直通バスならではだと思う。

羽田空港から長崎空港までは約二時間のフライト。空弁を食べたり、景色を眺めたりしているうちに到着していた。飛行機に乗るのも久しぶりで、離陸時のGがかかる感覚がちょっと楽しかった。

気候

九州は温かいイメージがあったけれど、関東とそれほど変わらなかった。海が近いせいか、風が吹いた時などはむしろ関東より寒く感じた。

立ち寄った場所(一日目)

    1. ハウステンボス

事前の調査ではあまり良い印象が無かった。料金設定が高い、一日パスポートを買っても施設によっては追加料金が必要、それらの情報が分かりやすくまとまっていない、など、本当に大丈夫だろうか?と思っていた。

しかし、実際に行ってみるととても満足度の高い場所だった。料金設定が高いのは確かだけれど、それだけの手がかかっているのも良く分かる。広い敷地、多くの花、運河、お店、イベントなど見どころも満載。

平日(金曜日)だったのでそれほど混雑もしておらず、快適に見て回れたと思う。ただ、一日では全てを見きれない。敷地内には別荘やホテルもあるので、時間をかけてじっくり見たい場合に利用すると良いかもしれない。

チーズ屋さん、カステラ屋さんでは試食が多かったのが印象的だった。特にカステラ屋さんの試食では10種類ほどのカステラ試食があって驚いた。

最近よく聞く3Dプロジェクションマッピングも複数回、複数箇所でやっていた。期待が大きすぎたためにそれほど大きな感動は無かったけれど、見る事が出来て良かった。

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    1. ちょうてん

長崎駅前、アミュプラザ長崎内にある博多ラーメンのお店で遅めの夕食。美味しく頂いた。

一日目はとにかく移動が長かった。自宅から長崎までの移動は仕方ないとしても、長崎空港からハウステンボスハウステンボスから長崎市内のホテルの移動がとても長く感じた。ハウステンボスで歩き回って疲れていたこともあり、長崎駅からホテルまではタクシーで移動した。

立ち寄った場所(二日目)

    1. 原爆公園

日本は原爆が投下された唯一の国。そして、日本の中で原爆が投下された地域は長崎と広島の二ヶ所のみ。知識では知っていたけれど、広島に行った事の無い自分にとってはいろいろと考えさせられる事の多い場所となった。

原爆公園には「原子爆弾落下中心地碑」があった。しかし、実際にはこの地点に落ちたのではなく、上空600m付近で破裂したのだそうだ。当時の地層も保存されており、茶碗などが埋もれているのを見る事ができる。

公園は街中にあり、すぐそばに道路もある。しかし、公園内は人も少なく厳かな雰囲気に包まれていた。今思えば、この時点で観光という意識は無く、「何かを感じ取らなければ。」という想いに変わっていた。
 

 

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    1. 長崎原爆資料館

自分にとってはとても衝撃的な場所であった。原爆とはどんなものか、どんな影響があったのか、当時の様子はどんなものだったのか、などが保存・展示・説明されていた。原爆によるキノコ雲の映像や火傷を負った人びとの写真など、目を背けたくなるような展示も多い中、自分がきちんと見る事が出来なかったのは生き残った方々の書いた文章だった。

仕事では他の人に伝える事がメインの作業をしていたため、テキスト(文章)よりも図解(イメージ)の方が直感的に伝わるという想いがあった。しかし、展示されていた映像や写真よりも文章の方が自分の心に響くものがあった。映像や写真は全て見たけれど、文章は最初の1〜2行しか読む事が出来なかった。文章からの方が訴えかけられるものが多かったのだろう。

資料館には長崎の事だけではなく、戦争に関する多くの情報が展示されていた。その内の一つに「ラバウル」という地名を見つけた。私の祖父は戦争を経験しており、私が幼い頃にしてくれた話の中に「ラバウル」の地名が出てきた事を思い出した。そして、親族から聞いた祖父のエピソードも。祖父からもっといろんな話を聞いておけば良かった、と今さらながらに思ってしまった。

    1. 平和公園

平和公園には有名な像がある。しかし、その像よりも印象的な出来事があった。偶然にも被爆手帳を持つ方とお話することが出来たのだ。

その方はとても若々しく、被爆二世の方だと思ったくらいだったのだが、実際に原爆が投下された時の被害にあっていたそうだ。ちょうど柱の裏にいたから助かったこと、救援の電車が来た時の様子、会社を退職してからは語り部として活動していることなど、とても貴重なお話を聞く事が出来た。

長崎や広島に投下された原爆の事は教科書や本、テレビなどで知る事が出来る。しかし、実際に足を運んだり、当事者に話を聞いたりするべき事だと思えるようになった。戦争の悲惨さや、(戦争という手段による)争いを繰り返してはならないことを痛感した。
 

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    1. 浦上教会

浦上教会も原爆の被害を受けた建物とのこと。現在は復元されており、内部を見学することも出来る。見学した時には結婚式が挙げられていた。

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    1. 眼鏡橋

石製のアーチ状の橋。水に映った姿が眼鏡に似ている事からその名がついたとのこと。大きな魚がたくさんいて、少々不気味であった。眼鏡橋付近は石畳や石垣が多い。その中にハート型の石が一つだけあって、カップルには人気があるそうだ。

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    1. 江山楼中華街本店

事前に調べておいた店で、長崎ちゃんぽんと皿うどんを頂く。とても美味しかった。長崎では「ソー酢」という調味料が有名らしく、江山楼にも置かれていた。この後にいろんな店やお土産物屋さんを回ったが、ついに「ソー酢」が売られているところを見る事は出来なかった。

    1. グラバースカイロード

路面電車石橋駅付近からグラバー園に行く事の出来る斜行エレベーター。どちらかというとグラバー園の裏口から入るような感じのようで、人通りは少なめ。

    1. グラバー園

トーマス・グラバーさんという方の住居だった場所とのこと。当時の食卓や道具が展示されている。小高い丘の上にあり、海を見下ろすことも出来て景色は良い。陶器製の湯たんぽなど面白いものもあったが、自分が気になったのはこま犬。キリンビールのラベルのモデルにもなったそうだ。

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    1. 大浦天主堂

大浦天主堂を見た後にグラバー園に入るのが一般的なルートのようだ。既に暗くなり始めており、LEDのイルミネーションが点灯し始めていた。教会の事はよく分からないけれど、内部は厳かな雰囲気であった。

    1. 杉養蜂園 グラバー園

大浦天主堂からの下り道は、いろんなお土産もの屋さんがある。一通り入ってみたのだが、実際に何かを購入したのはこの店のみ。いろんな蜂蜜が売られており、いろんな蜂蜜を試飲させてくれた。(蜂蜜そのものではなく、お湯で割ったり水で割った入りしたものを飲ませてくれた。)

    1. 鍋冠山公園

当初の予定では稲佐山から世界三大夜景の一つ、1000万ドルの夜景を見るつもりであった。しかし、稲佐山に通じるロープウェイがメンテナンス中で停止しており、バスのツアーは満席、タクシーだとかなりの料金がかかるということで、急遽行き先を変更した。

稲佐山はガイドブックにも載っている有名なスポットであるのに対して鍋冠山は地元の人しか知らない穴場のスポットらしい(これは後で知った。)グラバー園の裏から徒歩で登って行くと、確かに夜景が綺麗だった。展望台まで行けばもっと綺麗な景色が見れたかも知れないけれど、あまりに暗いため、途中で登るのを断念。この間、誰とも会っていないので、静かにのんびりと夜景を楽しみたい場合は稲佐山より良いかもしれない。
 

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    1. 出島和蘭商館跡

社会の授業で習った出島は扇型だったと記憶していたが、現在の出島はその形が変わっているそうだ。既に夜も遅かったため見学出来る場所もほとんどなかったが、雰囲気だけは楽しめた。

恐らく意識的にそうしているのだと思うのだが、街頭が一切無く、提灯(?)の灯りのみが照らされていた。歴史を感じる建物と、近代的なビルが同時に視界に入ってきて、不思議な感覚を覚えた。

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    1. 出島ワーフ

歴史的な施設ではなく、建物や船がイルミネーションで照らされた商業的な施設であった。多くの飲食店もあり、地元の方が飲み会などで利用しているような雰囲気もあった。

 

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二日目は長崎市内を散策した。長崎市は交通の利便性が高く、JRや路面電車、バスなど移動手段が多くある。今回は路面電車の一日券(500円で乗り放題)を購入したのだがとても移動がしやすかった。路面電車に乗ったのは初めてだったが、踏切が無い、信号で止まる、など自分の知る電車とは違う面が多くて面白かった。

立ち寄った場所(三日目)

    1. オランダ坂

オランダ坂のすぐ近くのホテルに宿泊していたため、移動の手間はゼロだった。のんびり散歩でも出来るのだろうと思っていたけれど、普通の生活道路としても使われているようで車通りも多かった。

    1. 東山手十二番館

立ち寄るつもりは無かったのだが、散歩の途中に雰囲気の良い建物があったため、中を見学してきた。おしゃれな洋館といった感じで広々とした造りだった。

    1. 東山手地区町並み保存センター

こちらも立ち寄るつもりの無かった場所。無料で見学が出来る場所のみ行ってみたのだが、なかなか面白かった。国際交流センターのような場所では、各国の雑貨が買えたりいろんな国の料理が食べられる施設もあった。いろんな国のチェスが展示されていて、それも興味深かった。

    1. 日本キリスト教団長崎教会

これまた立ち寄るつもりの無かった場所。日曜日の午前中ということで、礼拝が始まる直前に見学に行ったのだが、快くお話を聞かせて頂いた。いろんな質問に対して淀みなく回答をしてくれる姿勢にはとても感心してしまった。しっかりと勉強していないと、とても出来ない事だと思った。

    1. 孔子廟・中国歴代博物館

孔子を祀った建物。教会が多い街の中でここだけが中国のような雰囲気を持っていた。建物自体は明治時代に建てられたものだが、博物館にはかなり古いものが展示されていた。もう少しちゃんと回りたかったが、時間の都合もあってゆっくり見る事ができなかった。 

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早めにホテルを出発し、ゆっくり散歩しながら目的地を見て回ろうと思っていたのだが、面白そうなところが多くてついついいろんなところに寄り道をしてしまった。昔から貿易が盛んだった事、異文化が取り入れられている事はもちろん、観光に力を入れているのもよく伝わってきた。

その他

「長崎は観光地が集中しているから観光がしやすい。」という話を聞いていたが、本当にその通りだと思った。(長崎空港ハウステンボスは少し離れていたけれど。)地図上では遠くに見えても実際には歩いて行けたり、路面電車やバスなどの交通も充実していたりで移動のストレスも少なかったように思う。

また長崎に行く機会があれば、以下の二つはチェックしておきたい。

    1. ハウステンボス

気になるところはたくさんあったにも関わらず、時間の関係で見て回れなかったため。相変わらず高い料金が気になるけれど今度はじっくりゆっくり回ってみたい。

    1. 稲佐山

世界三大夜景、1000万ドルの夜景と呼ばれているらしく、今回の旅行でも行きたかった場所の一つであった。しかし、ロープウェイのメンテナンス中で行く事が出来なかったため。

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