うたた寝ラウンジ

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読書 「人を動かす」


人を動かす 新装版

友人に勧められて読み始めた本。知らない本だったけれど、インターネットで少し検索しただけでも有名な本である事が分かった。

読み初めてすぐに感じた事が二点ある。

一点目は、翻訳本ならではの読みにくさ。欧米風の独特の言い回しやエピソードなど、日本人には馴染みの薄いような表現もいくつか見かけた。(日本人の感覚として、「そんなにうまく事が運べるの?」というエピソードもいくつかあった。)

二点目は、伝えたい事の明確さ。目次には伝えたい事が端的に抽出され、本文では様々な実例とまとめが書かれている。書き方にも気を使っているのだと思うが、「伝えたい内容がここまで明確に表現されている本は初めて読んだ。」と感じた。自分が人に何かを伝えたい時には、この本を思い返すと良い気がする。

内容的には自己啓発本を多く読んでいる人ならどこかで読んだ事のあるものが多いだろう。翻訳本よりも、日本語で噛み砕いて書かれている本があるとしたら、そちらの方が読みやすいかも知れない。本書にはいくつかの「原則」が書かれているが、ポイントとなるのは以下の一文だと思う。

しかし、人を動かす秘訣は、まちがいなく、ひとつしかないのである。すなわち、みずから動きたくなる気持ちを起こさせること ー これが、秘訣だ。
 

この一文は全ての「原則」の元になっているように思えたし、人を動かす秘訣はそのまま自分を動かす秘訣にもつながると思う。

この本に書かれている通りの事を実践すれば全てが上手く行く、というものでは無い。実例はあくまで上手く行った例であり、同じ事を試しても失敗する事はあるだろう。書かれている内容を意識し、自分で考え、実践していく事で、自分なりの人の動かし方、人との付き合い方が育っていくのだと思う。

目次

Part1 人を動かす三原則

  1. 盗人にも五分の理を認める
  2. 重要感を持たせる
  3. 人の立場に身を置く 


Part2 人に好かれる六原則

  1. 誠実な関心を寄せる
  2. 笑顔を忘れない
  3. 名前を覚える
  4. 聞き手にまわる
  5. 関心のありかを見ぬく
  6. 心からほめる


Part3 人を説得する十二原則

  1. 議論をさける
  2. 誤りを指摘しない
  3. 誤りを認める
  4. おだやかに話す
  5. “イエス”と答えられる問題を選ぶ
  6. しやべらせる
  7. 思いつかせる
  8. 人の身になる
  9. 同情を持つ
  10. 美しい心情に呼びかける
  11. 演出を考える
  12. 対抗意識を刺激する


Part4 人を変える九原則

  1. まずほめる
  2. 遠まわしに注意を与える
  3. 自分のあやまちを話す
  4. 命令をしない
  5. 顔をつぶさない
  6. わずかなことでもほめる
  7. 期待をかける
  8. 激励する
  9. 喜んで協力させる


Part5 幸福な家庭をつくる七原則

  1. 口やかましくいわない
  2. 長所を認める
  3. あら探しをしない
  4. ほめる
  5. ささやかな心づくしを怠らない
  6. 礼儀を守る 
  7. 正しい性の知識を持つ